W204ステアリングイメージ

こんにちは!ケーズファクトリーの前田です。

今回は、2012年式 W204 C180のエンジン始動不良の車両がご入庫になりましたので、
故障の症状と修理内容について、ご報告させていただこうと思います。

エンジン始動不良の症状は突然に!

今回ご入庫される前日に、ご自宅に到着するかしないかのタイミングで
スピードメーターに警告が出たらしいです。
(どんな警告か聞いてなかったです。すいません)
その後、自宅の車庫に入れて、数時間後再び車を動かそうとしたら何の反応もなかったと言う事です。
当初お問い合わせフォームからご連絡を頂いておりましたが、連休前のバタバタで
お返事が遅くなったところ、お電話を頂きまして、故障の症状をお伺いしました。
これは?と言う事で、
お客様の方で保険会社のレッカーを手配頂き、当社までお車を搬送して頂きました。
(最近はこのパターンが多いです。保険会社のロードサービス結構いいですよね?)

W204に多い症状

当社に車両到着後、キーレスドアロック確認OK、
イグニッションスイッチがプッシュボタンの為、ボタンを外し
キーを挿入。
通常、キーを差し込むとガシャ!と音がしますが、無反応
アクセサリー、イグニッションONの位置までキーを回しても無反応
メーターに何も表示されませんでした。
この症状だとあれがあやしいです!

電子式ステアリングロック ESLの故障

キーを差し込んだ時にガシャ!っと音がするのは、
ステアリングロック(別名ハンドルロック)が外れる時の音です。
ステアリングロックが解除になって、イモビライザー(盗難防止装置)
のスタートOK信号が各コンピューターに送られます。
スピードメーター、ATトランスミッション、エンジンコンピューターなどに
スタートOKの信号が送られます。
この最初の段階でスタートOKの信号が送られない為に、
セルモーターが廻らず、エンジンが掛からないと言う事です。

ESLの故障の修理方法

まず、ハンドルを取り外し、ステアリングコラムを引っこ抜きます。

メーター周りのカバーも邪魔になるので、取り外します。

 

ステアリングシャフトを止めているボルト4本を取り外します。

ESLのコネクターを抜きます。

 

ステアリングシャフトごと、ダッシュボードの中から取り出します。

ブレーキペダルが邪魔になりますが、知恵の輪状態でグルグル回したり

してると、ポロっと出てきます。

 

ステアリングシャフトの上側にESL本体があります。

取付けは13㎜のナット1個です。

ステアリングロックが外れている状態でしたら、ボルトを押し込んで

スルッと抜けてくれますが、ロックが掛ったままでしたらチョット大変です。

ボルトを切り取ってESLを取り外すことになります。

 

ESLの修理

当店では、ESLの内部の修理はできないため、外注さんにお願いして修理します。
モーターの交換のみで治ってくれれば良いのですが、
大体の場合、プラス基盤の交換までとなります。
または、モーターレスのダミーESLに交換となります。

組付け作業

修理屋さんから帰ってきた

外したESLを修理して元に戻していきます。

ステアリングシャフトなど、すべて元に戻せば完成です。

 

最終調整

最後に、診断機にてショートテストを実施し、

故障コードを消去します。

 

あとは動作テスト、エンジン始動すれば完璧です。

 

まとめ

今回の車両は2012年式 W204 C180の

エンジン始動不可の修理でした。

 

原因は、ステアリングロックユニット

(ESL エレクトリックステアリングロックユニット)

の故障でした。

 

純正ESLは機械式モーターが装備されていたので

故障の再発を防止するためにモーターレスの

電子式ESLに交換となりました。

 

この症状(故障)はW204だけではなく、

W212 W207 Eクラス

W172 SLK などでも確認しております。

 

突然エンジンがかからなくなるため、

自宅ガレージ、ガソリンスタンド、コンビニ、スーパー、

会社の駐車場、パーキングエリアなど

車を止めた所で故障が発生します。

 

こういう場合は、保険会社のロードサービス、

JAFのロードサービスなどで工場まで運んでもらうしかありません。

 

気を付けていても無駄ですので、自動車保険の契約の

ロードサービスが付帯しているか確認し、

入っていなければ契約を変更してもらいましょう。

 

また知人お車を借りて、故障と遭遇してしまうと

持ち主の本人しか保険が適用されない場合もありますので

JAFに加入しておくと安心です。

JAFの場合、車というより本人が乗っている車を対象に

サービスが受けられますので、他人の車でも搬送してもらえます。

 

今回のお話は、如何だったでしょうか?

また、いろいろなメルセデス・ベンツの故障修理を

ご紹介していきますので、お楽しみに!!

 

それでは、また!!